絵画・造形教室 第64回「お正月飾りをつくる!」

第64回
12月17日
テーマ「お正月飾りをつくる!」
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年の瀬となりお正月飾りの授業がやってまいりました。昨年は酉(とり)の制作でしたが、今年は来年の干支である戌(いぬ)の制作です。毎回この授業ではお飾りに使われる素材の種類や意味を、モニターや実物を見ながら学習します。使用素材の稲穂、松、榊、橘、千両などに水引や紙垂(しで)を加えていきます。お飾りの中心にはこどもたちがつくる「戌」を最後に結びつけます。稲穂や松、水引や紙垂などを使用する意味を知ったこどもたちも意気揚々と制作をスタートします。まずは紅白の紙で紙垂づくり。紙垂とは注連縄(しめなわ)につけられている垂れ下がった白い紙のことです。「カミナリゴロピカだよね!」そう、紙垂は稲妻のかたちを表しています。カミナリと植物の成長に関して科学的な解明が進んでいるようですが、古来よりカミナリの多い年は豊作になると伝承されてきました。昔の人は知っていたのですね。

紙粘土でつくった様々な犬たちのかたちや表情、ベロリと出した赤い舌、じっと見つめるつぶらな瞳、たぬきに見えたりきつねに見えたりで愛嬌のあるワンコたちが出来上がりました。来年の1年間、どうぞこどもたちをお守りください。今年の授業もこれにて終了。良いお年を!

絵画・造形教室 第63回「喜怒哀楽仮面をつくる!」

第63回
11月19日
テーマ「喜怒哀楽仮面をつくる!」
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人間は感情の動物です。よろこび、いかり、かなしみ、たのしみ。良いときもあれば悪いときもある、まさに人生色々、喜怒哀楽。なーんて大人のつまらないボヤキはこどもたちには通用しません。怒りや悲しみよりも、喜びや楽しみのほうが大きく強くイキイキしています。モニターを観ながら喜怒哀楽の意味、感情や表情を学びます。四つの感情と表情を自分達の日常に置き換えながら考え、理解できたようです。

制作する仮面は立体の四面それぞれに喜・怒・哀・楽を表現します。怖い「なまはげ」や「トラ」、「ライオン」、「歌舞伎の隈取(くまどり)」、「怒りのイルカ」、そして悲しみの「ピエロ」や「ウサギ」、喜びの「犬」や「猫」、「人の顔」などを描いた表情に、採取した葉っぱや小枝、毛糸やテープなどを加えながら完成しました。適度な位置に穴をあけ、頭にかぶった立体をクルックルッと回していけば、四面表情変化、喜怒哀楽仮面が完成しました。

自分の表情は大切です。「他人に不機嫌な顔を見せる人は、自分のことしか考えていない。機嫌よくしていないと会う人に悪いし、礼儀だと思う」と言った作家がいましたけれど、なるほどなぁと納得です。喜楽でいきましょう!

絵画・造形教室 第63回「線画で虹を描く!」

第62回
10月15日
テーマ「線画で虹を描く!」
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一年ぶりの共作です。今回は自由に描いた曲線で大きな虹絵を描きます。まずはモニターで虹のお勉強、太陽の光が空気中の水滴によって屈折、反射して虹ができること、水滴のプリズム効果で七色の光の帯が見えること、順番に赤橙黄緑青藍紫(せきとうおうりょくせいらんし)であることなどなど。それから著名な虹作家である靉嘔(Ay-O)や線画のダイナミズムがすばらしい粟津潔の作品を鑑賞。いよいよ制作準備、みんなで画用紙を貼り合わせ大きなキャンバスをつくります。次にあみだクジで決めた自分用の画用紙に自分の考える「大切な目」を好きな位置に描きます。モニターで鑑賞したエジプトの「ホルスの目」や「猫の目」、「パパの目」、「金魚の目」、「お花の目」から「Wの目」、「UFOの目」など思い思いの絵を描いたようです。

さて、ここからが本題です。一人一人が順番に目と目を自由曲線で結んでいきます。他人の描く線画が大切に描いた自分の目の画用紙に浸食してきます。最初、違和感を覚えていたこどもたちも、ノリノリで線画を描き出しました。他人を受け入れる楽しさが伝わってくる不思議な目を組み込んだクネクネ曲線の絵ができあがりました。次に墨一色で描いた線と線の間に彩色し、自分の虹色を描いていきます。ウワァ~ッと元気がもらえるエネルギー満タンの作品が完成しました。大きな画用紙に描くことはこどもたちのストレスを発散させてくれる効果もあるようです。パワフルな絵が描けるようになったもんだなぁ。

絵画・造形教室 第61回「植物を観察し描く!」

第61回
9月24日
テーマ「植物を観察し描く!」
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今回は初めての手法にチャレンジです。顕微鏡を使った不思議な世界を絵で表現します。選んだ対象は植物。葉っぱ、花粉、種、花びらなどを顕微鏡で覗いてみると、想像もつかないようなミクロの世界が現れます。こどもたちもその不思議な美しさに心をうばわれたようです。自分の目で見たその映像を、本物の野菜を使って描いてみました。用意したレンコン、ピーマン、ゴーヤ、オクラ、エリンギきのこなどを絵筆にして線を描いたり、特徴あるカット面をつかって版画手法で重ねていったりして、実際に見たミクロ世界のイメージを表現しました。

観察し興味を持つこと「不思議ワクワク!」は大切です。今回生物のなかの植物をとりあげましたが、広く深く生き物の不思議を感じること、知ることは楽しいですね。

絵画・造形教室 第60回「富士山を描く!」

第60回
8月20日
テーマ「富士山を描く!」
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富士山は日本の象徴として海外でもひろく知られていますね。高さは3776mで日本一。はるか遠くに見える優雅な山は、関東に住む人々にとってどのような想いを抱いていたのでしょうか。私自身、東京行き新幹線の窓から見た初めての富士山は、いまだ印象深く脳裏に刻まれています。思ったより近くに見え大きかったこと、白い頂と真っ青な空、そしてその山姿の美しさ、勇壮さに感動し、途中下車したくなってしまいました。まずは江戸時代、葛飾北斎の浮世絵の代表作「神奈川沖浪裏」を鑑賞です。大波とそれにもまれる三隻の船、絵の中心には富士山が、これ以上ないくらいの抜群の構成力で描かれています。さすが日本美術の代表作、この絵は見たことがあるこどもたちも多かったですね。次は「凱風快晴」、美しいシルエットと赤い山肌、青空に浮かぶ白い雲が印象的な作品です。それから明治期以降の大作家である横山大観、片岡球子などの作品を鑑賞。画家にとって富士山は、大切な対象存在そのものであったことでしょう。

着物の生地を切り貼りし、和紙と絵具を重ねたり、面白い表現の山肌や雲、湖やお花畑、金色の山頂などを組み込んで、見応えのある富士山が出来上がりました。