絵画・造形教室 第81回「雨を描く!」

絵画・造形教室
第81回
6月16日
テーマ「雨を描く!」
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形があるような、ないような、あらためて雨を意識してみるとなかなか難しいテーマです。今日は雨だから傘がいるな、洗濯物は干せないなとかは考えるけれど、雨をじっくりと眺めるようなことは、日常先ず無いでしょう。漠然と意識できるのは窓にかかった水滴、水たまりや川面の波紋、もしくはシトシトパラパラ、ボトボトパチパチ、ザーザーと降る雨音でしょうか。そんな雨の形がすばらしい日本文化として残っています。そうです浮世絵師、歌川広重の作品をさっそくみんなで観てみましょう。広重の代表作「東海道五十三次」の中には、雨が見事に描かれているものがあります。斜めに描かれた直線で表現されているのですが、その長さや間隔、まわりの風景などから、シンプルな絵柄の雨の中に自分がいるような気分になります。もう一方は三嶋典東さんの雨の絵、線画だけで描かれた哲学的な深みをもった作品です。
今回は雨のイメージを、透明フィルムに描いてもらいます。いつもの画用紙とちがい裏面からも絵が見えるのに興味をもって、その効果を生かしながら二枚三枚と描き足していきます。描いたフィルム画用紙を円柱にしたり、折りたたんだり、くっ付けたりしながら組み合わせ立体に仕上げてみました。「水滴の国」、「赤と青の雨」、「雨と龍」、「恐竜の骨に雨が降る」、「空を飛ぶ人の雨」、「カラフルしずく」、「林の雨の世界」など透明空間に降り注ぐ不思議な雨世界ができました。