絵画・造形教室 第18回「ぼかしてみよう!ボッカボカ!」

絵画・造形教室

第18回
10月20日
テーマ「ぼかしてみよう!ボッカボカ!」
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ぼかしの効果を考えながら絵を描いていく訳ですが、いつもと違って紙は和紙、絵具は染料を使用しています。和紙と洋紙の違いは見て触ってわかるものではありますが、その制作過程はかなり異なります。モニターでは和紙の中でも一般的なコウゾ(楮)の制作プロセスをみんなで学習。コウゾの木を切って、蒸して、皮をはいで、干して、洗って、乾燥して、トントンたたきほぐして、舟と呼ばれる桶に入れザブリザブリとスケタで漉いて、しぼって乾かして・・・そう、大変な時間と手間をかけて作られるのです。こどもたちもまさか煮たりたたいたりするとは思っていなかったよう。このようにして作られた和紙は源氏物語絵巻等にあるように千年以上の保存がきく優れたメディアでもありますね。

それぞれ自分のイメージで描いたぼかし絵に、見ていてドキドキするような素晴らしい色や線、面の程よい滲み、浸食が表れています。海や太陽、花の咲く山、虹、昆虫などの具象画から、テキスタイル繊維やマーブル、鉱物の表面模様を連想させる抽象的なものなどそれぞれのボケバランスとハーモニーが美しい。普段見ないボケ絵を描いて見てこどもたちは何を感じたのでしょうか。奈良、平安時代の料紙に絵や和歌をしたためた作品作りの一環です。講評では父兄の方々に京都にて制作の料紙を使用した博物館ポスターやグラミー賞ミュージシャン用の版画を見てもらいました。